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スタートアップから大企業まで、様々な規模の会社さんとお話しする中で、時々あれ?とおもうことがあります。それぞれの企業のフェーズに沿った広報活動をできていない時です。

例えば、まだ創業して間も無く、サービス名・企業名・社長さんのお名前ともに世の中に知れ渡ってはいない状況で「企業ブランド」に偏重した発信をしていたり、もうすでに企業自体が世の中からの注目を集めるような状況になっているのに、まだ小さなサービス改善だけについてのみリリースをしていたり…。
それぞれ、企業のフェーズごとに求められる広報活動は違ってきます。もちろん例外はありますが、ここでは大まかにそのフェーズ別で発信していきたい情報の内容についてお伝えします。

1:創業期
2:従業員が20-30名になる時期
3:従業員が100名以上になる時期
4:IPOや資金調達を検討する時期

分け方については賛否あると思いますが、従業員数によって会社のフェーズをはかれることが多いので、ひとまず従業員数で分けてみたいと思います。

 

1:創業期
創業したら、まずは
①リリースを書いてみて→②ワイヤーサービスと契約して載せる→③少し慣れてきたらメディアウケする情報にカスタマイズして情報発信→④メディアにできたツテをもとに広報活動拡大

という4つのサイクルをぐるぐると回してみてください。詳しくは
スタートアップ(ベンチャー)の広報の始め方https://note.com/jayid_nanako/n/n431bb95f072c

こちらにまとめております。

創業時期に、自社ブランドや企業理念、ミッションなどをきっちり決めてしまうのも良いでしょう。最初にどこに向かって走っていくのか明確にすることで、社員の採用や銀行、また取引先企業とも会話の軸が生まれるかもしれません。

ただ、あまり作り込みすぎない事をお勧めします。というのも、実際に走り出してみるとなんかしっくりこない…とか、もっと付け加えたい要素があった…など、往々にして出てくるからです。パンフレットやホームページのデザインなど、あまり作り込んでしまうと後で修正にコストや時間がかかってしまいます。

2:従業員が20-30名になる時期の広報
この頃になると採用の機会も多くなりますので、発信面では今までのサービスリリース、アンケートリリースなどをどんどん加速しつつ、営業活動や採用活動に寄与するような情報発信を行っていきましょう。

具体的には、下記のようなタイトルをイメージいただけるとわかりやすいかもしれません。
「弊社サービスの導入社数がXX社を突破 顧客満足度XX%」
「社員数がXX名を突破 営業部を中心に人材採用を強化」
プレスリリースなどだけでなく、Wantedlyなど、会社の雰囲気を好きなテイストで発信できる媒体を上手に使って発信をしていくことをお勧めします。情報に多様性を持たせることで、多様な受け手に情報が届くようになります。

社内の体制としては、まださすがに専任の担当者は必要ないかもしれません。「広報」という業務の範囲を広く解釈して、イベントの開催なども含めて任せるのであれば専任を持っても良いかもしれません。
(ただし経験上、「広報」の解釈を広げすぎるとなんでも間でも広報マターとなり、広報担当が疲弊していきます。広報が情報を届けるターゲットはあくまでも「メディア」と限定することをお勧めします)

3:従業員が100名以上になる時期
従業員がここまで増えてきたら、そろそろ広報チームなど専任の人を配置することを考えましょう。

このタイミングで新たに必要とされてくる発信は、社内への広報活動と危機管理広報です。

まず社内広報について。100名を超えてくると、社員同士でも名前を知らない人が増えてきます。そして社長自身も名前がすぐに出てこないメンバーなども出てくることでしょう。それだけ人数が増えてくると、仕事内容、考え方、働き方なども実に様々な人が入社してきます。
そうすると、エンゲージメントがさほど高くないメンバーがいたり、会社の営業方針やサービスの方向性に納得できないメンバーが出てきたり、メンバー同士でも「あの部署は一体何しているんだ」などと、縦にも横にもコミュニケーションの希薄化が生まれがちです。
そのため社内報の発信、社長メッセージの上手な伝達や部署間の交流など、社内での円滑な情報共有を図りましょう。

次に危機管理広報について。この規模になってくると、SNSの運用も始まり、個人情報を多く扱ったり、またメディアに出る機会なども増えてきます。SNSでの炎上、個人情報の流出、メディアでのアンチ報道、メディア露出に対する炎上など、リスクが一気にふえてくるのもこの時期です。
できればこんなネガティブなことは起こらないに越したことはないのですが、起こって欲しくないからといって何も準備しないのは非常に危険です。今後、危機管理広報についてもしっかりまとめて参りますが、
・自社でどんな危機が起こりうるか
・起こった際の相談先(弁護士や広報のプロなど)
・エスカレーションフロー
・どの範囲まで事実を把握すべきか
・報告すべき関係省庁は(情報漏洩なら総務省…等)
・メディアへの対応姿勢(「隠さない」が鉄則)
は最低限決めておきましょう。

4:IPOを検討する時期
そろそろ機も熟したし、IPOを、と思ったらIR活動の準備をしましょう。IRに求められるスキルは、従来の広報的コミュニケーション力の他に、数字を読み解き解釈できる力です。

広報のターゲット
・メディア
・メディアの先にいる一般消費者や取引先企業や社内の従業員など
IRのターゲット
・投資家
・株主
と、同じ「伝える仕事」でも対峙する相手が全然違ってきます。なので、どんなに人当たりがよくて企業の情報を魅力的に語れる人であったとしても、数字にアレルギーのある人を急にIRに引っ張ってくるのはやめたほうが良いです。
理想的なのは広報スキルがあって経理財務分野にも明る人、もしくはその逆で経理財務で広報スキルも高い人を社内で育てたり、外からIR経験者を採用したりすることです。

1:創業期…4つのサイクル
2:従業員が20-30名になる時期…営業活動や採用活動に寄与するような情報発信
3:従業員が100名以上になる時期…社内広報と危機管理広報
4:IPOを検討する時期…IR広報の準備

以上、4つの時期に必要とされる広報活動の概要をお伝えしました。
このマガジンでは、お作法・勉強的に広報を語るよりも、読んだ方がすぐに実践できる広報のノウハウ、Tipsをご紹介しています。ぜひ、ご参考にしてくだされば幸いです。